資料
| 企業向け新型インフルエンザ対策研究
 
【研究課題】
 職域における新型インフルエンザ対策の定着促進を支援するツール作成

【研究分担者】
 和田耕治 北里大学医学部衛生学公衆衛生学講師

■ 本ページの目次 ■
  1.研究要旨
2.研究目的
3.研究方法
4.研究結果
5.考察
6.結論
7.ツール


研究要旨
 
 職場における新型インフルエンザ対策の定着促進を支援するためには現場での対策を解説したツールや資料が必要である。本研究では2009年4月から流行が拡大した新型インフルエンザA(H1N1)対策として一般職場における対策のツール作りを目的とした。
 2009年2月に内閣官房から出された新型インフルエンザの行動計画やガイドライン、諸外国のガイドラインそして新型インフルエンザA(H1N1)の知見をもとに感染管理を中心としたリーフレットなどを作成した。
 2009年度は、米国CDCの一般職場向けガイダンスの翻訳と、職場を新型インフルエンザA(H1N1)の感染から守るための3つのステップのリーフレットを作成した。これらをもとにさらに企業において新型インフルエンザ対策の推進が期待される。



研究目的
 
 職場における新型インフルエンザ対策の定着促進を支援するためには、必要な対策についてわかりやすい様々なツールや資料が必要である。本研究では2009年4月から流行が拡大した新型インフルエンザA(H1N1)2009対策として一般職場における感染対策のツール作りを目的とした。



研究方法
 
 様々な企業での主に感染対策において課題となっている点をヒアリングした。それらの課題に対して、内閣官房から出された新型インフルエンザの行動計画やガイドライン、諸外国のガイドラインそして新型インフルエンザA(H1N1)の知見、さらには感染管理の知識をもとにツールを作成した1)-8)。
 本研究を行うにあたり、特に倫理的に課題となることはなかった。



研究結果
 
 一般企業の8社の新型インフルエンザ対策担当者に対して、実施している感染対策と現在の課題として認識していることなどをヒアリングした。
一般企業における感染のリスクは比較的低いにも関わらず、やや過剰の対策をとっている企業が見られた。その背景には感染成立の3要件や感染のリスクアセスメントに関する基本的知識が十分に知られていないことがわかった。
 感染成立の3要件は、感染源、感染経路、宿主の感受性であるが、それらがそろった場合にのみ感染が成立する。そのため、いずれか1つでも欠けた場合には感染は成立しないことを活用して対策を行うと良い。
 また、リスクアセスメントにおいては、職場における感染者との接触(入り口などで感染者が入ってこないような工夫や症状があれば出社しないなどの対応)、職場における人同士の距離(飛沫感染を想定して2メートルの距離が開けられるか)などからリスクを検討できるマトリックスを作成し、それぞれに応じた対策を提言した。これらをまとめ、職場を新型インフルエンザA(H1N1)の感染から守るための3つのステップを作成した【資料1のダウンロード】。
 また、企業の担当者にとって、新型インフルエンザA(H1N1)対策としてのガイダンスの更新が十分に行われていなかったことも課題として認識されていた。そのため、米国CDCから出された職場向けのガイダンス4)の翻訳とわが国の実態に合わせた改訂を行った。それらは雑誌「労働の科学」2009年12月号に掲載された【資料2のダウンロード】。



考察
 
 新型インフルエンザ対策は企業においてもある程度は進んでいたが感染対策の具体的な点を検討するにあたって、感染の3要件と、リスクアセスメントを行うという点については不十分であった。そのため過剰な対応などが行われている企業もみられた。
 本ツールは、職域における新型インフルエンザ対策の定着促進に関する研究のアンケート調査で協力をいただいた企業に対して優先的に配布され、その後ネットや雑誌に掲載され広く普及された。



結論
 
 新型インフルエンザA(H1N1)2009対策においてもリスクアセスメントを行なうことで冷静な対策を検討することができる。また、状況にあわせたガイドラインを提供することで対策の修正などを行うことができる。



ツール
 
職場を新型インフルエンザA(H1N1)の感染から守るための3つのステップ
資料1のダウンロード
 
新型インフルエンザに関する米国CDC の一般職場におけるガイダンス2009(和田 耕治・中尾 智・奈良井理恵)
資料2のダウンロード